当院での妊娠中の歯科サポートについて
投稿日:2016年3月18日
カテゴリ:歯の知識ブログ
妊娠中の歯肉炎・歯周病について
妊娠中でも虫歯や歯周病のメカニズムは同じなので、基本的に予防方法に大きな変わりはありません。
しかし、ホルモンのバランスの変化によって、歯肉炎が起こりやすい状態になっています。
つわりなどで歯磨きが困難になってしまう事もあり、それらが重なるとお口の中が不潔になって歯肉炎の症状が悪化、歯茎の腫れによる痛みでより歯磨きが困難になってしまうこともあります。
また、歯周病の妊婦はそうでない妊婦に比べ早産になりやすいと言われており、海外のデータでも歯周病が進んだ妊婦では早産および低体重児出産の危険性が非常に高まるといった報告や、歯周病が進んだ妊婦ほど早産の頻度が高かったという報告などがあります。
これだけ見ると怖いデータですが、裏を返せば、お口の中の環境をしっかりと整えることによってリスクは軽減されることを意味しています。
当院では、お口の環境から患者さまの安全な出産をお手伝いさせて頂いております。
妊娠中の虫歯について
一般的に妊娠すると急に虫歯が増えると思われております。
これは妊娠により虫歯が増えるという訳ではなく、つわりや間食の増加のためにお口の清掃が不十分になったり、
女性ホルモンの増加により唾液の性状が変わる為、虫歯になりやすい状態であると言う事です。
妊娠中の虫歯予防は神経質になりすぎず、洗口剤の使用や、調子の良い時の小まめな歯ブラシなど臨機応変なケアが必要になってきます。
このような場合は・・・
・ ヘッドの小さな歯ブラシを使う
・ やわらかめの歯ブラシを使う
・ 歯磨きの際の歯ブラシの動かし方を小さくする
・ 前かがみ気味で、前方に掻き出すように磨く
・ 匂いの強い歯磨剤は避ける
・ 大量が良い時に何回かに分けて小まめに磨く
・ 歯磨きができない時は、甘いもの、間食をひかえる
などを是非心がけてみて下さい。
新生児の歯を虫歯から守る
新生児の歯が生え始めるのは生後6か月~1歳頃からです。
歯が生えてくれば当然ですが、歯磨きが必要です。
しかし、この時期は糖分の多い食べ物を口にすることは少なく、大量の唾液によって汚れが洗い流されることにより、お口の中は清潔に保たれいます。
また、生後しばらくはお口の中に虫歯菌は存在しません。離乳食が始まり、家族や保育園などで口移しやお箸などを介して虫歯菌は子供に感染していきます。
ですから、この時期の歯ブラシはしっかりと磨くというよりも、歯ブラシに慣れて好きになってもらうことを目的にあせらずゆっくりとやっていくことが大切です。
ポイントとしては、楽しく歯磨きしている教育番組等の見本を見せてあげる事です。
親自身が楽しく毎日歯磨きをしている姿をお子さんに見せてあげることはとても大切です。それにより歯ブラシや歯磨きそのものを受け入れやすくなります。
本格的に虫歯になりやすくなってくるのは、1歳半~2歳半頃と言われおります。
この頃になるとお菓子などの糖分をお口に入れる機会が増え、また虫歯の原因菌であるミュータンス菌もお口の中に定着してきます。
かわいいお子さんを虫歯から守るために大人の口に入れたものを与えないようにしたり、口に触れるようなスキンシップを避けたりする方もいらっしゃいます。
その愛情は本当によくわかりますが、お子さんの愛情表現という観点からはお勧め出来ません。
可愛くてたまらないお子さんとの素敵な時間と関わりを減らすよりは、まず、妊娠前からご家族の皆様がお口の悪い所をしっかり治し、清潔な状態を維持することが赤ちゃんのお口に虫歯菌を感染させない為に大切な事だと思っております。
大切なお子様を虫歯から守るために、ご家族みんなで、健康なお口を目指しましょう。
当院では、産前産後を考え患者さまのご出産をトータルサポートさせて頂きます。
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